夏祭りへ行こう!
2015/12/25
今年もこの季節がやってきた。
毎年6月の第1土曜・日曜。実家の近くで夏祭りの縁日がある。ここの縁日は横浜でもわりと有名で、神社の前の道路を封鎖して、500メートルくらいにわたって出店が出る。
大きな国道から一本奥に入った路地は、旧東海道らしいのだけど当時の面影はなく、普段はほとんど人通りがない。その道に、この日ばかりは、街を空からひっくり返したかのように大勢の人が押し寄せてくる。
小学生のころは、年に1度の縁日が楽しみで、おばあちゃんに1,000円のお小遣いをもらって、近所の友達と遊びに行っていた。当時は、金魚すくいも射的もクジも…、たいていのものが100円でできた。
でも、今は、何をするにもお金がかかる。300円出して食べれない魚を釣ったり、100円ショップより粗悪な景品を狙う。そのお金が暴力団とかヤクザの資金になると知ってからは、無邪気に楽しむことはできなくなった。
でも、記念だからと一度だけ300円のクジを引いた。子ども用の手帳が当たった、プーさんに似たクマと謎の中国語が印刷されていた。
高台には、ずっと昔から街を守っている神社がある。お参りをして、嫁と猫と家族に幸があるように願い事を告げた。
子どものころ、どこよりも盛大な縁日が開かれる地元が自慢だった。やがて、指定暴力団の某○○組の本家が近くにあるおかげだと知って、少し素直に楽しめなくなった。決して当たりの出ないクジから、夢を見る時間と地元との一体感を買っていたはずが、何を買っているのか分からなくなった。
僕は、知らなければならない「事実」を知ったのだろうか?!それとも、、、知らなくてもよい「真実」を知ったのだろうか?!
縁日の屋台が放つネオンだけは、あの頃と変わらずに灯っていた。